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家族信託運用FAQ

よくある質問と回答 - クリックして詳細を確認

Q1. 信託財産から贈与を実施する場合は、どのようにすれば良いですか?
👩
委託者兼受益者である父が孫に生前贈与を行いたいと言っています。信託口口座内の金銭の一部を贈与してもいいですか?なお、相続時精算課税制度を利用する予定です。
👨‍💼
贈与する分の金銭を信託口口座からお父様の固有口座に移した上で、その口座からお孫様の口座に送金するようお願いします。相続時精算課税制度などの税制活用については、必要に応じて税理士までご相談をお願いいたします。

【補足】

贈与は贈与者の意思に基づいて行なわれたこと(贈与の意思表示があったこと)が明確になっていることが重要です。そのため、「お父様の代わりに受託者が孫に送金(贈与)する=信託口口座から受託者が直接的に送金手続をする」ことは望ましくありません。(仮に信託契約書上の信託目的に贈与の記載があったとしても、家族信託で贈与を行うことは推奨しません。)

また、信託財産が名義預金とみなされないように=税務署に贈与を否認されないようにすることも重要です。贈与契約書等をご用意いただくか金融機関が介在する形での贈与信託などを利用するなどして、受贈者への名義移転が明確になるように実施されることをお勧めいたします。

Q2. 信託財産(金銭)で特定の品物を購入できますか?
👩
委託者である母が使用するためのパソコンを購入したいのですが、信託財産から支出して良いでしょうか?
👨‍💼
お母様の生活のための支出ですので、問題ありません。なお、金額が大きいものについては領収書の確保をお願いいたします。
👩
委託者である父が居住している高齢者施設が少し離れた場所にあります。訪問のための交通費などは、信託財産から支出して良いでしょうか?
👨‍💼
お父様の生活を支えるための支出ですので問題ありません。ただし、できる限り合理的な範囲(その他のご家族が納得できる範囲)での対応をお願いいたします。また、可能な限りで領収書の確保もお願いいたします。
Q3. 信託契約が終了するのはいつですか?
👩
信託契約はどのタイミングで終了になりますか?
👨‍💼
信託契約に定めた信託終了事由が発生すると、信託契約は終了します。ただし信託法176条の定めがある関係で、残余の信託財産の帰属権利者への分配手続が終わるまでは完全には終了しないことにご留意ください。

【補足】

信託契約に定めた信託終了事由が発生すると信託が終了します。定め方は契約ごとに異なりますので、信託契約書をご確認ください。

主な事由としては、①受益者が死亡した場合、②信託財産がなくなった(ゼロになった)場合、③受託者の離脱後に新たな受託者が一定期間内に登場しない場合、④受益者と受託者が終了の合意をした場合などです。

信託終了事由が発生すると、残余の信託財産を帰属権利者に分配する手続(清算手続)に移行します。この清算手続が完了するまでの間は、信託法の定めにより、信託は完全には終了していない状態になります。完全に終了するまでは、受託者または清算受託者としての職務が残っていますのでご注意ください。

信託法第176条(信託の存続の擬制)
信託は、当該信託が終了した場合においても、清算が結了するまではなお存続するものとみなす。
Q4. 信託財産(金銭)を別の口座に移動して良いですか?
👩
信託財産(金銭)を信託口口座とは別の口座に移動しても良いでしょうか?
👨‍💼
原則として、信託口口座以外の別口座に信託金銭を移して管理することは適切な管理方法ではありません。

【補足】

上記が基本の考え方となりますが、委託者や金融機関の了承を得て一時的に移す場合など、信託関係者の同意を得ており、かつ、信託外の金銭と混同しないように分別管理ができる状態なのであれば、受託者様の判断にお任せいたします。

Q5. 信託終了事由を待たずに、信託契約を解約できますか?
👩
家族信託の解約はできますか?
👨‍💼
可能です。主に委託者と受託者間の合意による解約(解除)となります。

【補足】

契約締結後になんらかの事情により家族信託を解約したい場合は、信託契約の定めに基づき解約手続を実施します。

通常、「受託者及び受益者が合意し、信託監督人がこれに異議をとどめなかった」場合は、信託契約を終了することが可能です。

ただし、その時点で受益者が意思能力を喪失している場合は、合意解約ができません。信託法の考えでは「受益者のために信託行為を行っているので、受託者が一方的に終了させることはできない」という建て付けとなっているためです。

Q6. 信託財産(金銭)の運用は可能ですか?可能であれば、どの程度の運用が可能でしょうか?
👩
信託財産(金銭)で投資商品を購入して、運用しても良いでしょうか?
👨‍💼
原則として、信託目的に記載がない限り投資商品の購入や運用できません。

【補足】

信託目的に記載がない限り、投資商品の購入や運用はできないというのが基本の考え方です。委託者がそこまでの権限を受託者に与えていることを、書面上で確認できないためです。

ただし、資産の目減りを防ぐことを目的とするようなリスクを抑えた運用(定期預金その他元本を毀損しないような運用)については、委託者や金融機関の了承を得ているのであれば受託者様の判断にお任せいたします。これに対し、株式や投信等のリスクを伴う積極的な投資運用については、原則通り信託目的にその旨を記載することが必要です。

Q7. 信託財産にかかる税金は信託財産(金銭)から支出して良いでしょうか?
👩
信託不動産の固定資産税は、どこから支払うべきでしょうか。信託口口座から支出して良いでしょうか?
👨‍💼
信託財産の管理上、信託不動産に関する維持管理費用は信託金銭からお支払いをいただくのが適切な形となります。

【補足】

基本の考え方は上記の通りですが、必ずそうしないといけないというわけではありません。

信託口口座以外の受益者の固有口座でお支払いすることも、受託者の固有口座から立て替え払いすることも可能です。この場合は後でご家族間で問題が生じないよう、お話し合いの上で進めていただくようお願いいたします。

Q8. 信託財産(金銭)は契約書に記載された額を維持する必要がありますか?
👩
信託財産として、信託契約に記載した信託金銭の額を常に維持する必要があるのでしょうか?
👨‍💼
契約書に記載されている金額は、あくまで信託契約開始時点の金額を示すものです。信託金銭は受益者の生活・医療・介護等のために支出し減っていくことが当然に想定されているものであり、契約書に定めた金額を維持する必要はありません。
Q9. 契約書に記載された額以上の金銭を信託口口座に入金しても良いでしょうか?
👩
信託契約に記載した信託金銭の額以上に金銭を入金しても良いでしょうか?
👨‍💼
契約開始後に信託外の財産を追加入金する行為は、「追加信託」に該当します。委託者が受託者に新たに財産管理を託す重要な行為のため、この場合は追加信託契約書を交わしていただくことを推奨しております。これに対し、信託財産から発生した賃貸収入や配当収入、信託不動産の売却益によって契約書に定めた信託金銭の額を超える場合は、追加信託には該当しませんので特別な手続は不要です。
Q10. 信託契約を変更する場合や追加信託する場合は、公証役場に行く必要がありますか?
👩
信託契約の内容を変更する場合や信託財産を追加する(追加信託)場合は、もう一度公証役場に行く必要がありますか?
👨‍💼
信託変更や追加信託は、私文書による対応が可能です。ただし変更の内容や追加信託する財産の内容次第では、公正証書化することをお勧めする場合があります。

【補足】

承継割合の変更など、契約内容の重要な部分の変更については公正証書化することをお勧めいたします。また、不動産を追加信託する場合も、信託登記の手続が必要となることなどを踏まえ、公正証書化することをお勧めしております。

Q11. 借地権付きの建物を売却する際に、注意すべき点はありますか?
👩
高齢の叔父の自宅の管理処分を任されて売却を検討していますが、その不動産は借地権付きの土地の上の建物のようです。どのような点に注意するべきでしょうか?
👨‍💼
まずは、土地に関する賃貸契約書の有無を確認してください。賃貸契約書が見つかりましたら、借地期間の更新の定めや更新料、名義書換時等の承諾料といった部分を中心にご確認ください。通常の不動産に比べて借地権は専門的な実務知識が必要となりますので、早めに専門家にご相談ください。

【補足】

借地権(またはその契約書)が現行民法と旧民法のどちらに基づくものなのか、まず確認する必要があります。現行民法と旧民法では、借地期間の更新に関する定めの内容が異なるためです。

例えば、旧法における借地権は半永久的に更新可能ですが、現行法における借地権(平成4年以降に契約された借地権)には普通借地権と定期借地権の区分けがありますので、契約期間後の返還が必須となっている場合もあります。

また、契約更新できる場合でも、更新料がいくらになっているかを確認しておく必要があります。

その他、借地上の建物を建て替えたり、売却によって名義変更する際に地主に支払う承諾料についても契約書に明記されているはずですので、今後の活用方針を検討するためにも、その点を事前に把握しておくことが必要です。

Q12. 親の不動産を売却するためには、まず何から進める必要がありますか?
👩
高齢の親の自宅の売却を考えていますが、何から進めれば良いのかがわからず、アドバイスが欲しいです。
👨‍💼
まず固定資産税の納税通知書等で保有不動産を把握した上で、登記簿で権利関係を確認するところから着手いただくとスムーズです。

【補足】

権利関係について親から口頭で聞いていた話と実際の登記が異なっているというケースもありますので、早めに「登記簿」を取得して確認されることをお勧めいたします。土地の一部が別の親族との共有になっていたり、祖父母名義のままになっていることがあります。

登記については公開されているものですので、不動産業者に依頼して取得・確認することも可能です。手続がよくわからない場合は、権利関係の確認を始める時点で弊社または不動産仲介業者にご相談いただくことをお勧めいたします。

上記の他、売却に必要となる書類の有無の確認とあわせて、売却の際により高く売れることを優先するのか、早く売れることを優先するのかなど、売却の方針をご家族内で話し合って整理・調整いただいていると、手続がスムーズになります。詳しくは、専門家を交えて詰めていく方が安心です。

不動産の書類としては、権利書(または登記識別情報)の他、できれば測量図があると売却活動のスタートを早めることができます。

Q13. エレベーターがないなど、建物の保有設備はどの程度売却に影響があるのでしょうか?
👩
4階建てのいわゆる昔ながらのエレベーターがないマンションで、親の自宅は3階にあります。売却の際に気をつけるべきことはありますか?
👨‍💼
エレベーターがない集合住宅の場合、1階や2階の方が価値が高くなる可能性があります。

【補足】

エレベーターの有無に限らず、日常生活における困難さが不動産の評価に影響することがあります。エレベーターなしの集合住宅の場合は、高層階よりも低層階の物件の方が売却が進めやすいことになります(売却先を確保しやすい)。

なおマンションの場合は、過去の修繕実施状況や修繕積立金の状態、長期修繕計画表、管理会社から発行される重要事項調査報告書等についても、買い手側が確認することになりますので、これらの要素も売却価格に影響します。マンション全体の維持管理状態も売却価格に影響しますので、ご注意ください。

Q14. 未登記の不動産を売却するにあたって、注意すべき点はありますか?
👩
田舎の実家が一部未登記のようで、売却時に問題となりそうで怖いです。
👨‍💼
未登記の不動産でも売却活動を進めることは可能ですが、早めに登記を済ませておくことをお勧めいたします。売却活動に着手する際は、未登記であることを早めに不動産仲介会社に相談をしておきましょう。
Q15. 不動産を売却される方は、どのタイミングで決断することが多いのでしょうか?
👩
親の自宅の売却のタイミングが難しいです。皆さんどのように考えて売却をされているのでしょうか?
👨‍💼
ご家族により事情は様々ですが、①親御様が高齢者施設に入居した時、②空き家の管理負担が重いと感じた時、③介護資金の確保が必要になった時、といったタイミングで売却検討を始められる方が多いようです。

【補足】

親御様がグループホームなどの施設への入居後、半年〜1年くらいで落ち着かれた時に売却を検討されるケースが比較的多いようです。実際に売却活動を行うお子様世代の方が長期休暇を取得したり、転職により一時的に時間を確保できる状況になった際に、売却活動を進めるというケースもあります。

Q16. 信託終了時の承継割合を変更することはできますか?
👩
受益者が亡くなり、信託が終了しました。契約書上、私と兄が残余の財産を2分の1ずつ受け取る定めになっていますが、承継割合を変更することはできないのでしょうか。
👨‍💼
信託契約書に「帰属権利者の一致した指図があればそれに従う」等の定めがあれば、検討可能です。ただし、どこまでの手続にこの定めの有効性を主張できるのかについては議論があり、財産内容や手続内容によっては関係当事者にその効力を否認される可能性もあります。また、承継割合の変更に伴い贈与税が発生する可能性があるなど、変更の影響には注意が必要です。

【補足】

受益者の死亡等により信託が終了した場合、契約書内で事前に定めた承継割合に沿って残余の信託財産を帰属権利者に分配していくのが通常ですが、「帰属権利者からの一致した指図がある場合はこれに従う」といった定めが置かれている契約書もあります。

この場合は、全ての帰属権利者間で合意することで、承継割合を変更可能です。ただし、分配に際して金融機関等の第三者による厳格なチェックを経る必要があるものなどについては、第三者が合意内容に応じない可能性もあります。

なお、遺産分割協議の内容が相続発生時に遡ってその効力を生じるのとは異なり、信託における承継割合の変更には遡求効が認められていません。そのため、税務上は「当初の定め通りの財産分配が行われた後、新たな割合に従って財産が移転した」ものと捉えられ、後段の移転については、「帰属権利者の一人から別の帰属権利者への贈与」と判定され、贈与税が発生することになるのでご注意ください(この点について明確な税務判断はまだありませんが、上記のように捉えていただいた方が安全です)。

Q17. 信託契約で信託終了時の帰属先を定めていない場合はどうなりますか?
👩
信託契約で信託終了時の帰属先を定めていない場合に、契約が終了するとどうなりますか。
👨‍💼
委託者の相続人が帰属権利者とみなされます。

【補足】

信託法182条2項によれば、委託者の死亡により信託が終了した際に残余財産の帰属権利者の定めがない場合には、委託者の相続人を帰属権利者と指定する定めがあったものとみなされます。なお、複数の相続人がいる場合は、残余財産が各相続人に移転することになり、財産によっては共有状態になります。この際、信託の残余財産は相続財産とは扱いが異なる点についてご注意ください。

相続財産は、遺産分割協議をすれば被相続人の死亡時点に遡って協議の内容が有効に扱われますが、信託財産の帰属先について改めて相続人間で協議しても上記のような遡求的な扱いはされません。

その結果、信託終了による共同相続人への権利移転と、その後の共同相続人間での権利移転が生じたと解釈され、後者の移転については贈与の課税がなされるおそれがあります。

無用な課税を回避するためにも、信託契約作成時点でしっかり帰属先を決めておくことが重要です。

Q18. 信託財産以外の不動産売却について、ファミトラに相談できますか?
👩
親の不動産の売却を検討しています。信託不動産ではありませんが、売却についてファミトラに相談しても大丈夫でしょうか。
👨‍💼
弊社にも不動産の購入・売却実務に精通している専門チームがございますので、ご相談に応じることが可能です。お気軽にご相談ください。信託している・していないにかかわらず、無料査定から売却先の確保、その他住み替え用物件のご提案などを承っております。節税対策時は、提携している税理士も関与いたします。
Q19. 不動産売却時の想定価格を自分で調べることはできませんか?
👩
不動産会社に査定を依頼すると、営業が激しくなりそうで嫌です。自分で売却時の想定価格を調べることはできますか?
👨‍💼
売却を検討している不動産近辺の不動産仲介会社の外に貼ってある売り出し広告を調べたり、大手不動産サイトで立地・規模・築年数等が類似する物件の売り出し価格を調べたりすることで、おおよその価格イメージを把握できます。ただし、あくまでも売り出し価格なので、実際の成約価格ではない点はご注意ください。具体的な金額や上値を追えるか等については、市況を把握している専門家への相談が必要になります。
Q20. 信託契約終了後の清算手続において、清算報告書にはどのような項目を記載する必要がありますか?
👩
信託終了時に作成することになる清算報告書とは、どのような書面でしょうか。
👨‍💼
信託が終了した際に、受託者がそれまでの信託事務の処理内容や信託財産の最終的な分配・清算状況をまとめて、関係者に報告するための書類です。

【補足】

帰属権利者に残余財産を分配し、清算報告書を関係者に示すまでが受託者(清算受託者)としての職務です。

清算報告書を作成する過程では、契約書に定めていた通りの財産を帰属権利者が受けとったこと等について、各帰属権利者から署名または押印を得る形での確認が必要です。これにより、その後のご家族間のトラブルを防ぐことができます。

ごく稀に清算報告書の作成を省略してしまうケースもありますが、いつの時点で完全に信託が終了したのかを明確にし、その後のご家族間のトラブルを生じさせないようにするためにも、清算報告書を作成することを推奨しております。

Q21. 現在空き家になっている不動産を売却するにあたって、注意すべき点はありますか?
👩
高齢の親が施設に入り、実家(戸建)が空き家となりました。1ヶ月に1回ほど私が管理のため訪れていますが半年が経過し、そろそろ売却することを考えています。この場合に気をつけるべきことを教えてください。
👨‍💼
戸建の場合は空き家の期間が伸びるほど、空き巣被害に遭うリスクが高くなります。また、外観は売却時に重要なポイントとなるため、建物周囲の清掃などの維持管理にも気を配る必要があります。多忙などでメンテナンスに時間を割けない場合は、なるべく早めに売却を検討することをお勧めします。

【補足】

不動産を放置することで、不動産価値の低下につながることがあります。また、固定資産税の支払いが継続するだけでなく、維持管理のための定期的な訪問など、そのままの状態を保つのにもコストや労力がかかります。

売却することを決めてから実際に売却手続が完了するまでの期間は、一般的に3〜6か月程度が目安とされています。好条件で売却をしたいとお考えの場合はさらに期間が延びるため、その期間も考慮に入れる必要があります。

なお、空き巣は「心理的瑕疵」に該当する可能性があります。侵入の手口が凶悪だったり、過去に複数回被害があった場合は、不動産価格にも大きく影響する可能性があります。

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