ファミトラ「家族の俳句」2023年 6月

俳人の神野紗希先生とのコラボレーション第8弾は、「父の日」をテーマに一句詠んでいただきました。

俳句の解説

海風を漕ぐ
父の日の銀輪よ

６月の第３週は父の日です。母の日のように父にも感謝する日を作ろう、とアメリカで制定されたのがきっかけです。日本でもすっかり定着し、時期が来れば、スーパーや百貨店でも父の日のプレゼントや食材が売り場を賑わします。　

銀輪とは、自転車のこと。私の父は現役時代、瀬戸内のしまなみ海道のサイクリング事業に携わったことがあり、よく自転車で橋を渡るイベントに参加していました。海の上を自転車で渡ることのできるサイクリングロードは世界的にも珍しく、今では多くのサイクリストがしまなみの風景を楽しみに訪れています。

父の日と書きかけて思い浮かんだのが、しまなみの橋の上、颯爽と自転車を漕ぐ父の姿でした。父は現在も、仕事場へ片道３０分かけて自転車で通っています。いつまでも父らしく元気でいて欲しいと、願いをこめて。

7月の一句もおたのしみに！

この俳句の先生

神野紗希
（こうのさき）
俳人

1983年、愛媛県松山市生。俳人。高校時代、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。NHK「俳句王国」番組司会、NHK全国俳句大会選者などを務めた。2018年、『日めくり子規・漱石』（愛媛新聞社）にて第34回愛媛出版文化賞大賞。2019年、第11回桂信子賞。句集に『星の地図』（マルコボ.com）『光まみれの蜂』（角川書店）『すみれそよぐ』（朔出版）、著書に『女の俳句』（ふらんす堂）『もう泣かない電気毛布は裏切らない』（日本経済新聞出版社）『俳句部、はじめました』（岩波ジュニアスタートブックス）他。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。

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