家族信託はどこに頼めばいい? 相談先を選ぶポイントや費用を解説

家族信託はどこに頼めばいい? 相談先を選ぶポイントや費用を解説

自身の老後に備えて、家族信託を利用したい方は近年増加しています。

しかし、2006年にできた新しい制度であるため、どの専門家に依頼すればいいのかがわからない方も少なくないでしょう。

そこで、この記事では家族信託をどこに頼めばいいのかを解説します。

相談先を選ぶポイントや費用についても解説していますので、ぜひ最後までお読みください。

目次

家族信託はどこに頼むのがいい? 専門家それぞれの特徴を紹介

家族信託を頼む依頼先には、弁護士、司法書士、行政書士など様々な専門家が挙げられます。それぞれの専門家には特徴があり、対応できる範囲も変わってきます。

依頼したい内容に対応できない専門家に依頼してしまうことのないように、1つずつ確認していきましょう。

弁護士|依頼内容に制限がない分費用が高い

弁護士は法律全般の専門家であり、依頼先として一番最初に思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

ほかの専門家とは異なり、弁護士には依頼内容に制限がありません。法律上は、家族信託にかかわる業務全般を担当できます。また、家族信託で絶対に必要となる信託契約は契約であるため、法律の専門家である弁護士に作成を依頼するのが安心です。

しかし、実際には、家族信託専門の弁護士は少ないのが現状です。また、家族信託には登記手続きが必要であり、登記手続きに精通している弁護士は少ないのが現状です。

また、このあと紹介するほかの法律家に比べて、依頼費用が高額になるケースが多くあります。

家族信託専門でない可能性が高く、かつ費用が高額になることから、どのような場合でも必ずしも弁護士が最適な依頼先とは言い難いでしょう。

司法書士|家族信託の依頼先としては一般的

家族信託の依頼先としては司法書士が一般的です。

司法書士の主な業務内容は登記や相続であり、家族信託の内容と一致する部分が多くあります。家族信託の専門家と言えるでしょう。

家族信託には複雑な手続きが含まれます。専門家である司法書士に手続きを依頼するのが安心でしょう。

行政書士|幅広い業務を依頼できるが登記の代理権はない

行政書士は業務内容が幅広く、家族信託に関する業務も依頼できます。

しかし、行政書士は提出書類の作成はできますが、登記の代理権がありません

弁護士、司法書士には登記の代理権があり、登記手続きを行ってもらうことができます。

一方、行政書士には登記の代理権がないため、登記手続きは自身で行わなければなりません。

登記手続きは、複雑かつ高度な専門性が要求されます。誤った登記手続きを行うと、将来大きな問題に発展する可能性があります。

行政書士に依頼する場合でも、登記の問題は司法書士などの専門家に相談し、登記手続きを代理してもらうことが望ましいでしょう。

税理士|法律の専門家ではないため依頼できる範囲が狭い

家族信託は相続対策としても利用されるため、税金の専門家である税理士に依頼することを検討する方もいるでしょう。

家族信託の対応ができる税理士もいますが、書類の作成や登記手続きなどに対応できる専門家ではありません。

家族信託では書類の作成や登記手続きなどを行う必要があり、税法の専門家である税理士では対応しきれない部分が多くあります。

しかし、相続対策についてのアドバイスを求めたい方もいるはずですので、その場合には、弁護士、司法書士と税理士のどちらにも依頼をするといいでしょう。

弁護士や司法書士と連携している民間企業もおすすめ

家族信託を専門とした民間企業もあります。弁護士、司法書士、税理士など連携するだけでなく、家族信託コーディネーターや家族信託専門士などの家族信託に精通している専門家が在籍している場合が多いです。

そのため、「法律家だけど家族信託には詳しくない」「家族信託には詳しいけど法律家ではない」などの依頼先に困る状況を回避できます。

契約書作成・登記手続き・税務面など適切な場面で適切な専門家と連携でき、かつ家族信託にも精通しているため安心して依頼できます。

専門家それぞれの業務範囲と費用感を一覧でチェック

家族信託の専門家それぞれの業務範囲と費用感を一覧でチェック

先ほど紹介した専門家に依頼する際、それぞれの専門家の業務範囲と費用感をチェックしておきましょう。

スクロールできます
業務範囲費用
弁護士信託契約書の作成
不動産登記
信託監督人
60万円〜
※信託財産の評価額の1%程度のことが多い
司法書士信託契約書の作成
不動産登記
信託監督人
40万円〜
※信託財産の評価額の1%程度のことが多い
行政書士信託契約書の作成
信託監督人
40万円〜
※信託財産の評価額の1%程度のことが多い
税理士相続対策
信託監督人
40万円〜
※信託財産の評価額の1%程度のことが多い
弁護士や司法書士と連携している民間企業信託契約書の作成
不動産登記
信託監督人
※信託契約書の作成と登記手続きについては専門家に依頼する必要があります
5〜40万円
※報酬形態は企業により異なります。
専門家の業務範囲と費用感一覧

なお、費用に関してはあくまで目安であり、実際にかかる費用は専門家や依頼する業務の範囲によって、ばらつきがあります。依頼先を決める際は、必ずそれぞれの専門家に確認してください。

家族信託の依頼先の選び方は? チェックすべきポイント7選

家族信託の依頼先の選び方は? チェックすべきポイント7選

家族信託の依頼先を選ぶ際、何を基準に選べばいいのか迷ってしまうことがあるかもしれません。

その際は、以下の7つのチェックポイントを確認してみてください。

依頼先のチェックポイント
  1. 依頼できる範囲と費用のバランス
  2. 家族信託の相談実績の多さ
  3. 専門家個人や企業のSNSの発信内容
  4. 人として信頼できるかどうか
  5. アフターフォロー体制
  6. 専門外の専門家と連携しているかどうか
  7. 口コミ・評価の高さ

1.依頼できる範囲と費用のバランス

先ほどの表を見てわかるとおり、専門家に相談する際、業種ごとの費用の差はさほどありません。

弁護士、司法書士に比べ、対応できる業務の少ない行政書士や税理士にも同程度の金額を支払うことになる可能性があります。

契約書の作成や相続対策のみ依頼したい場合は、全く問題ありませんが、そうでない場合は費用に対して対応範囲が狭く感じられるでしょう。

依頼できる範囲と費用のバランスを見て依頼先を決めるようにしましょう。

2.家族信託の相談実績の多さ

家族信託に関する相談実績が多ければ、家族信託について精通している可能性が高く、安心して依頼できます。

家族信託に限らず、知識を持っていても実際に経験してみないとわからないことは多くあります。

家族信託は比較的新しい制度のため、実績があまりない専門家も少なくありません

家族信託に関する「知識」が豊富な専門家ではなく、相談実績の数を重視して選ぶことをおすすめします。

3.専門家個人や企業のSNSの発信内容

専門家個人、もしくは企業がSNSで家族信託に関して発信している場合もあります。

発信内容や発信頻度を確認することで、信頼に値するかどうかが判断できる可能性があります。

家族信託に詳しい法律家は、個人や企業での発信にも力を入れている傾向にあるので、ぜひ参考にしてみてください。

4.人として信頼できるかどうか

家族信託では家族構成や財産状況など、家族の内部に関わる内容を多く扱います。

そのため、どれだけ専門性や実績があっても、実際にコンサルティングを行う担当者が、人として信頼できなければ依頼しにくいでしょう。

弁護士、司法書士などの専門家は、初回のみ無料相談を受け付けている場合も多いので、直接話をする中で信頼できるかどうかを見極めることをおすすめします。

5.アフターフォロー体制

家族信託は一度きりの手続きで終わりではなく、長期間続くものです。

依頼してから数年経った後に、契約書を変更する必要が出てくるかもしれません。

その際に、以前対応してもらった弁護士、司法書士などに相談できれば、スムーズに手続きが進みやすくなります

アフターフォロー体制が整っているかどうかを確認しておくといいでしょう。

6.専門外の専門家と連携しているかどうか

家族信託は高い専門性を必要とする民事手続きや税金の知識が求められるため、専門家1人で対応できる場合は多くありません

例えば、弁護士、司法書士などに依頼する際、法律に関する部分は対応できますが、相続対策などに関する部分まで対応するのは難しいでしょう。

その際に、専門でない分野の専門家と連携していれば、スムーズに手続きが進みやすくなります。

家族信託について全て対応してくれる専門家を探すのではなく、専門でない分野の専門家と連携している専門家を探しましょう。

7.口コミ・評価の高さ

自分の目で依頼先を選ぶのには限界があると感じる方も少なくないでしょう。その際に参考になるのが「口コミ」です。

ほかの方がどのように評価をしたのかがありのままに記載されているため、非常に参考になるでしょう。

自分では判断しにくいと感じたら、口コミを確認することをおすすめします。

しかし、口コミの内容が正確でないこともあるので、最終的には自分の判断で決めるようにしてください。

【事例別】相談内容ごとのおすすめの相談先

【事例別】相談内容ごとのおすすめの家族信託相談先

相談先を選ぶ方法の1つに、相談内容に応じて選ぶ方法があります。

弁護士や行政書士、司法書士などが、どのような相談内容に向いているのかをチェックしてみましょう。

相続トラブルなどが想定される場合は弁護士

相続トラブルなどが想定される場合は、弁護士がおすすめです。

相続させたくない相手がいたり、特定の人に相続させたかったりする場合、あらかじめ決めておかないとトラブルになる可能性があります。

相続トラブルを避けたい場合は、家族信託を利用してあらかじめ相続する相手を決めておきましょう

また、弁護士は法律上の紛争処理の専門家でもあるため、信託契約成立後に紛争が起きた場合にも適切に処理をしてもらえるでしょう。

相続相手を決める場合は遺言を使うパターンもあるため、どちらでも対応可能な弁護士に依頼するのがいいでしょう。

認知症対策としての家族信託なら司法書士

認知症による判断力の低下で、本来期待したような財産処分ができなくなることを避けるために家族信託を利用することがあるでしょう。

その際は、司法書士に家族信託を依頼することで、スムーズに手続きを進められます。

司法書士は家族信託の専門家でもありますが、認知症と関わりの深い成年後見制度の専門家でもあります。

認知症対策としての家族信託においては、司法書士が最適だといえるでしょう。

家族信託の財産にかかる相続税を減らしたい場合は税理士

家族信託で、自身が亡くなった後は財産を子どもに相続すると定めれば、相続税が発生することがあります。

相続税の額が大きくなってしまう可能性がある場合、相続税を減らしたいと考えるでしょう。

家族信託に詳しい税理士に依頼すれば、相続対策を考えながら家族信託を進められるでしょう。

専門性が高い分野の場合はそれに詳しい士業や民間企業

それぞれの士業や民間企業は、対応できる範囲や費用が異なるため、対応できる範囲が狭く、費用が高い専門家には依頼すべきではないと考えるかもしれません。

しかし、家族信託は専門性が高い分野・内容を多く扱い、それらが後々重要な問題となる場合もあります。安易に専門でない分野の方に任せるのは控えたほうがいいでしょう。

費用が高くても専門性があり、知識が豊富な士業や民間企業に任せることをおすすめします。

家族信託の依頼から手続きまでの流れを解説

家族信託の依頼から手続きまでの流れを解説

ここでは、実際に家族信託を依頼してから手続きを行うまでの流れを解説します。

一般的には以下のような流れで進められます。

ステップ
どこに頼むかを決めて実際に依頼する
ステップ
家族信託の設計を行う
ステップ
信託契約書を作成する
ステップ
信託財産に不動産がある場合は登記手続きを行う
ステップ
家族信託専用の口座を開設する

1つずつ詳しい内容を確認していきます。

1.どこに頼むかを決めて実際に依頼する

今まで解説した内容を参考に、弁護士、司法書士、行政書士など、どこに頼むかを決めます。

中には初回無料で相談できる場合もあるので、実際に話を聞きに行って決めるのがおすすめです。

話の内容や実績などを考慮した上で依頼先を決めましょう。

2.家族信託の設計を行う

依頼が決まると、家族信託の設計を行います。基本的には、依頼先の専門家が家族構成や財産状況に応じて、家族信託の設計を行う場合が多いです。

その際、スケジュールや費用などのプランが複数提示されることが多いため、一番適した条件・プランを選びましょう。

3.信託契約書を作成する

選択したプランに沿って、専門家が信託契約書の案を作成します。

信託契約書の内容が決定すると、公証役場に一緒に行き、そこで公正証書を作成することになります。

体調が悪いなど公証役場に行けない場合は、委任状により代理人に依頼したり、公証人が自宅・入院先などに出向いてくれることもあるので、よく確認してください。

4.信託財産に不動産がある場合は登記手続きを行う

信託財産に不動産がある場合、登記手続きを行うために法務局に行く必要があります。

司法書士などに依頼している場合は、代理で手続きを行ってもらえる場合がほとんどです。

5.家族信託専用の口座を開設する

信託財産は、個人の財産と分けて管理することが義務付けられているため、家族信託専用の口座を開設する必要があります。

しかし、どの銀行でも家族信託専用の口座が作れるわけではありません。

信任法に基づいた口座を作成する必要があり、手続きができる銀行が限られています。

どの銀行が家族信託専用口座の開設に対応しているかは、家族信託の経験が豊富な専門家に相談してください。

家族信託の依頼に関するよくある質問

家族信託でどこに依頼するのかについて、内容を一通り解説しましたが、まだ疑問が残っている方も少なくないでしょう。最後に家族信託の依頼に関するよくある質問を2つ紹介します。

専門家に依頼してから完了するまでにどれくらいかかる?

通常、2〜3ヶ月ほどかかります。依頼から手続きの流れの解説でも触れましたが、プランを決め、それに伴って各種書類の作成や手続きを行うなど、やるべきことは数多くあります。また、ご家族の納得を得る期間も必要です。

そのため、短期間では終わらず、2〜3ヶ月ほどかかるでしょう。

専門家に依頼する前に準備することは?

専門家に依頼する前に準備することは、家族信託の目的と財産の管理・運用・処分を任せる相手(受託者)を決めておくことです。

家族信託の目的や受託者が変われば、信託の内容も変わってくるでしょう。

場合によっては遺言や成年後見制度、生前贈与といった、ほかの選択肢のほうが適切である可能性もあります。

家族信託を行う目的と受託者を決めておくことで、後から失敗しないようにしましょう。

まとめ:家族信託で失敗しないためには自分に合った専門家に依頼しよう

家族信託で失敗しないためには、自分に合った専門家に依頼することが大切です。

家族信託では専門性の高い内容も扱うため、自身で手続きなどを行うのは危険が伴います

弁護士、司法書士、行政書士、税理士、もしくは民間企業といった、様々な選択肢があるので、専門家の力を借りましょう。

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この記事を書いた人

小牟田尚子 小牟田尚子 家族信託コーディネーター®

化粧品メーカーにて代理店営業、CS、チーフを担当。
教育福祉系ベンチャーにて社長室広報、マネージャーとして障害者就労移行支援事業、発達障がい児の学習塾の開発、教育福祉の関係機関連携に従事。
その後、独立し、5年間美容サロン経営に従事、埼玉県にて3店舗を展開。
7年間母親と二人で重度認知症の祖母を自宅介護した経験と、障害者福祉、発達障がい児の教育事業の経験から、 様々な制度の比較をお手伝いし、ご家族の安心な老後を支える家族信託コーディネーターとして邁進。

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