ファミトラ 「家族の俳句」2023年 1月

家族の俳句 2023年1月

俳人の神野紗希先生とのコラボレーション第2弾は、お正月をテーマに神野先生に一句詠んでいただきました。

笑門来福

新しい1年が始まりました
神野先生による「家族の俳句」 1月はお正月ならではの「初○○」を使った一句です
家族との会話も増えるこの時期 みなさんもなにか「初○○」を探してみてはいかがでしょうか


1月 お正月の俳句

俳句の解説

<俳句> 歯を磨き寝癖直して初電話

朝、歯を磨いて、寝癖を直して。日常あたりまえのルーティーンですが、ちょっと違うのは「初電話」。新しい年を迎え、初めて電話で話すことを「初電話」といいます。家族や友人など、親しい人にかける場合が多いですね。

新年の季語には、こうした「初〇〇」がたくさんあります。元日の朝の空を「初空」、明け方にさしてくる光を「初明り」、いつも見かけるスズメやカラスも、お正月には「初雀」「初鴉」といって寿ぎます。

人間の暮らしの中からも、よく知られた「初詣」や「初夢」のほかに、鏡に向かうことを「初鏡」、泣いたり笑ったりすることを「初泣」「初笑」、買いものを「初買」、集合写真を撮るのを「初写真」など、ふだんはあたりまえに過ぎ去る日常のあれこれを、めでたいものとしてクローズアップし、新年を味わいます。

事情があってなかなか直接会えないお正月でも、電話をかけて声を聞くことで、ほっと心落ち着き、新しい年を歩いていけるはず。

歯磨きをしたり寝癖を直したりするのと同じようにナチュラルに、初電話をかけて「あけましておめでとう」が言い合える、そんなお正月でありますように。

来月の俳句は2月に公開予定です。おたのしみに!

俳句の作者

この俳句の先生

神野 紗希
(こうの さき)
俳人

1983年、愛媛県松山市生。俳人。高校時代、俳句甲子園をきっかけに俳句を始める。NHK「俳句王国」番組司会、NHK全国俳句大会選者などを務めた。2018年、『日めくり子規・漱石』(愛媛新聞社)にて第34回愛媛出版文化賞大賞。2019年、第11回桂信子賞。句集に『星の地図』(マルコボ.com)『光まみれの蜂』(角川書店)『すみれそよぐ』(朔出版)、著書に『女の俳句』(ふらんす堂)『もう泣かない電気毛布は裏切らない』(日本経済新聞出版社)『俳句部、はじめました』(岩波ジュニアスタートブックス)他。現代俳句協会副幹事長。聖心女子大学・立教大学講師。

お正月をテーマに「親子俳句会」を開催しました!

お正月「親子俳句会」
お正月 親子俳句会

お正月をテーマに開催された親子俳句会では、鏡餅やお飾りなどを見ながら想像を膨らませます。クリスマスの会で要領を得ていた子どもたちは、お正月のイメージがどんどん広がっていきアイデアがたくさん出ている様子。

今回は、新年をイメージした華やかなハガキに、自分が作った俳句を書いて、年賀状を作ります。ハガキに自分がつくった俳句を書き、さらにお正月にまつわるたくさんのシールの中から好きなものを選んで貼っていき、自分で詠んだ俳句を飾って完成!

子どもたちの想像力は、親が思っている以上だったようです。俳句入りの年賀状、おじいちゃんやおばあちゃんなど家族へ送ってみてくださいね、と呼びかけて、にぎやかに解散しました。

お正月 親子俳句会
お正月「親子俳句会」

こどもたちの詠んだ俳句

はつゆめでふじさんのうえおいかけっこ

ともだちとかるたがしたいおしょうがつ

はつわらい妹とひょっとこみてわらう

まつ山でお正月まであそんだよ

すごろくをいちくんとやるおしょうがつ

はつたびでエジプトいってスフィンクス

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