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Matzの部屋 vol.2(まつもとゆきひろ氏 × 高山和也)

Matzの部屋第2弾 高山
目次

ようこそ、Matzの部屋へ!

プログラミング言語Rubyの生みの親にしてエンジニアの憧れの存在であるまつもとゆきひろ(Matz)さんが、ホストとしてファミトラの開発部メンバーを迎え入れ、1on1セッションを通じて様々な話を紡ぐ本企画。

第2弾の今回は、PdM・Webディレクターとしてファミトラというプロダクトの価値を高めるために日々試行錯誤している高山が、MatzさんとAgeTechという新興領域の捉え方や、現代においてプログラミングを学ぶことの意義について語り尽くします。

後半には同世代ならではの懐かしトークも繰り広げられるなど、読み応えのある楽しい記事となっておりますので、是非最後までご覧ください!

AgeTechという領域へどうアプローチするか

あらゆるサービスの出発点となるのは「誰かの抱えている問題を解消する」ということ

高山

本日はどうぞよろしくお願いします!

Matz

はい、よろしくお願いします!

高山

私の方からお題をいくつか用意させていただいております。

まず一つ目のお話で、弊社は「AgeTech」すなわち高齢者×IT領域のパイオニアであると標榜しているわけですが、実際に取り組んでいる事業はその枠組みから考えると少しズレているような気がするんですよね。

Matz

というと?

高山

というのも、AgeTechという言葉からは、「身体能力の低下を補佐するハードウェア」とか「アクセシビリティに配慮したソフトウェア」で高齢者のQOLを向上させるみたいなことが想起されると思うんですよ。

一方、私たちが提供しているサービスはあくまで「『家族信託』という法制度の利用のハードルを下げて老後の資産リスクを低減します」ということで、テクノロジーそのものがソリューションになっているわけではないんです。

高山

また、私たちが直接やりとりするお客様は基本的には高齢者の方々ではなく、そのお子様世代(主に40代~60代)になるので、そういう意味で高齢者が直接的なターゲットにはなっていないんですよね。もちろん、ご高齢の親御さんのメリットを第一に考えてサービス提供していることに変わりはないですが。

Matz

なるほど。

高山

こう考えると、AgeTechと言っておきながら実のところ、直接的にテクノロジーを活用した高齢者支援はできていないのではないか、もっとその方向に力を入れるべきではないかと感じる部分があります。この点についてMatzさんはどのようにお考えでしょうか?

Matz

そうですね。一応AgeTechっていう名前がありますけど、基本となる出発点はやっぱり「誰かの抱えている問題を解消する」っていうところ、ファミトラでいうとその「誰か」が高齢者だったということで、それを分類したら結果的にAgeTechだったということに過ぎないんじゃないかなっていう気がするんですね。

Matz

ファミトラの実際のターゲットの多くは40代から60代のお子さん世代だとはいえ、加齢とともに発生する問題を「家族信託」っていう法制度を使いやすくすることによってニーズを満たしているということであれば、それは十分AgeTechを標榜するのにふさわしいタイトルなんじゃないかなって思います。

Matz

AgeTechの他にも例えばFinTechであるとか、「なんとかテック」っていう分類も色々ありますけど、それらにしても個々のサービスを実際に運用したりスタートしたりしてる人たちっていうのは、「ある特定の問題をITで解決したい」と思って始めたに過ぎず、それが結果的に金融つまりファイナンス関連だったのでFinTech、女性やジェンダー問題に対してアプローチしたのでFemTechっていう風に言われたんだと思うんですよ。

高山

たしかに。

Matz

こうやって考えてみると、ファミトラは「家族信託がもっと活用された方が社会はずっと良くなるはずなのに、それが使いづらいがために社会問題が深刻化している」ということを解消したくて事業を始めたら、それが結果的にAgeTechって分類されたのかなって。

それで問題が解決されればされるほど社会がハッピーになるのであれば、細かい分類のことはどうあれ、それはそれでいいってなるんじゃないかなと思います。

Matz

VCの人であるとか、広報の人であるとか、あるいはメディアの人たちが、「最近頑張っているこういうグループのことを何て呼ぶのか」って考えた時にAgeTechと呼ぶようになったという流れだと思うので、今のアプローチそのものはあまり心配したり考えたりする必要はなくて、ファミトラはファミトラの方向で、本当に素晴らしいもの、本当にニーズを満たすものを作っていくことにフォーカスしていく方がいいんじゃないかなっていう風に私は思います。

高山

ありがとうございます。
問題解決ありきであって、最終的にどこの領域に属するかというのは別の話、他人が決める話という風に割り切るぐらいでいいという感じですよね。

Matz

そうですね、私はそう思います。

高山

ありがとうございます、かなり気が楽になりました(笑)

※ 家族信託の仕組みやメリットについてはこちらをご覧ください。

プログラミングへ取り組む心得

プログラミングは、適性のあるなしが事前にわからないチャレンジ

高山

今度はガラッと変わった質問になるんですけれども、高齢化社会が進行するに伴って、現役時代もすごく長くなるわけですが、中高年になってからプログラミングやエンジニアリングに興味を持って挑戦してみようという人がだんだん増えてきているという話がチラチラ出ているなと感じています。

高山

そこで、Matzさんからそういう方に向けたエールというか、「こういうことから始めるといいんじゃないか」とか、「こういうことに留意した方がいいんじゃないか」といったアドバイス的なものがあれば是非いただければと思いました。

Matz

そうですね、どうなんだろうな……。

Matz

現代って、行動できる年代が本当に広がっているんですよね。昭和の時代の漫画を改めて読んでたら、55歳で定年とか書いてあるんですよ。僕はもう55歳を超えてるんで、その時代だったらもう僕定年なんですよね(笑)
そこから先どうするのっていう感じではあるんですが、現代ではみなさん55歳でも普通に働いてますし、定年は65歳が普通になっているし……。

でも今の65歳って、人によりますけど割とやる気もあるし、体力も残ってる人も多いし、色々な新しいことにチャレンジする人も結構多いと思うんですね。

その点を考えると、病気とかで身体が本当に動かなくなったっていう時は別ですけど、そうでない人たちは正直年齢関係ないんじゃないかなって思うんです。

高山

私もMatzさんと同世代ですけど、そう言われると勇気づけられます(笑)

Matz

良かった(笑)

Matz

それでプログラミングの話ですが、現代はプログラミングの教材も、すごく良いものがたくさん出てますし、そういうのにチャレンジしていくのに「遅すぎる」ということはないんじゃないかなって思います。

さらに言うと、プログラミングって、あの人は適性があるとかこの人は適性がないとか、事前にわからないチャレンジなんですよね。
一見、理系の方がプログラミングに向いてると言われそうですけど、必ずしもそうではないんですよ。そういう意味で言うと、まずは手を動かしてみて楽しさとか面白さが見出せたら、それではじめて適性があるってわかるので、ぜひ皆さんにチャレンジしてもらいたいなぁという風に思います。

高山

なるほど。

Matz

プログラミングをするとなると、自分でコードを書いて、それがプログラムの挙動に反映されるわけです。例えば、”Hello, World!”って書いてあったとき、Worldの部分をRubyって書き換えたら”Hello, Ruby!”になりましたって、簡単なことだけどそれだけでちょっと嬉しくなる(笑)

要はプログラミングに挑戦すると「自分でやってみたことが、実際のプログラムの動作に反映されました」っていう達成感が発生するんですよね。この達成感を繰り返し得ていくことによって「プログラミング楽しい」とか「僕はプログラミングできるんだ」っていう自己実現感みたいなものが生まれて、子どもでも大人でも関係なく、プログラミングの動機、はたまたモチベーションの源泉になっている気がするんです。そういうことを感じられる人は実はプログラミングに向いていて、やればやるほど伸びるんじゃないかなっていう気がします。

Matz

さらに言うと、昔よりもだいぶプログラミングの敷居が下がっているというか、簡単に大きな成果をあげられるようになっているので、現代にプログラミングを学ぶっていうのは、やってみて損はないんじゃないかなって思います。
残念ながら、100人が100人やってみて全員が向いているっていうほど優しくはないんですけど、もしやってみてそれで楽しいと思えたら、年齢に関わらず何かすごいことができるようになるんじゃないかな。

高山

ありがとうございます!まさにおっしゃるとおりだと感じます。

高山

私は現在ディレクター業務が中心でコードを全然書かないですし、今の世の中に付いていけていない感じではあるんですけれども、中学校時代とかはプログラミングをやってました。

あの頃はBASICだけでは処理が遅く、Z80A(編注:米ザイログ社製のマイクロプロセッサー。1980年代当時はPCのCPUに多く利用されていた。)を使って直接I/O領域にデータを打ち込んで音を鳴らしたりだとかもやっていたので、最近のIDEとかを見ると「うわ!すごい!」って思うだけでなかなか手出しはできないなという感じです(笑)

Matz

でもあの頃楽しいと思えたのなら、きっと今でもすごく楽しいと思えますよ。適性もあると思うので、なんか教材見つけてやってみるとすごくいいと思いますね。

高山

そうですね、頑張ります(笑)

Matz

Z80Aのコードをガリガリ書くよりも、今のIDEでちょっとしたWebアプリとかを作るほうがだいぶ簡単だと思うので。

高山

そうですね、時間を見つけて挑戦してみようかなと思います。もう当時みたいにハンドアセンブルする作業はもう嫌です(笑)

Matz

もう今はそんなことしてませんから誰も(笑)
たしかに大人になったら時間をどうやりくりするかっていう最大の問題が正直ありますけれども、それさえなんとかなれば、可能性が広がるんじゃないかなと思います。

高山

本当にですね。ありがとうございます。同世代だからこそのお話も伺えて楽しかったです!

Matz

こちらこそありがとうございました!

対談者プロフィール

まつもとゆきひろ
Rubyアソシエーション理事長

スクリプト言語Rubyの生みの親であり、一般財団法人Rubyアソシエーション理事長、株式会社ZOZO技術顧問、Linkers株式会社技術顧問などを務めている。オープンソース、エンジニアのコミュニティ形成などを通じて、国内外のエンジニアの能力向上やモチベーションアップなどに貢献している。自称「世界的にもっとも有名な日本人のプログラマ」。日本OSS貢献者賞初代受賞者。

高山和也

高山和也(たかやまかずや)
プロダクト開発部長 / PdM

上智大学文学部哲学科卒
ソニー株式会社、自営業、デジタルサービス提供会社を経てjoin。自社プロダクトおよび社内BPA領域での各種調整・ディレクションを担当。

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