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いざ終活を始めようと思ったものの、何から手をつけるべきか分からず、途方にくれる方は多くいます。
終活で求められる作業は、多岐に渡るからです。
途中で挫折しないためにも、終活する際は、自分のペースで進めましょう。
この記事では、終活のハードルが下がるよう、終活・生前整理のやることリスト10を紹介しています。
これから終活に取りかかる方は、参考にしてみてください。
終活とは、人生をより良い形で終えるための活動です。
終活と聞くと、相続手続きの準備などを思い浮かべる人も多いかもしれません。
しかし、終活の定義はもっと広範にわたります。終活には、法律に関する手続きのみならず、個人的な願望の実現も含まれます。若い頃に成し遂げられなかった夢を実現させたり、しばらく会えなかった人に会ってみたりすることも終活の一部といえます。
このように、終活の内容は十人十色です。
もっとも、人生の最期を良い形で終えるための活動という点では、どのような終活にも共通します。
個人によって異なりますが、一般的には、次の内容が終活のメリットとして考えられます。
バランスの取れた遺産相続は、相続人間のトラブル回避に役立ちます。財産の分配が公平に行われると、相続人が不平不満を抱きにくくなるからです。
相続人の誰もが納得する遺産相続に関する計画・対策を練っておくことは、相続人間の争いを減らすのに貢献します。
特に、相続財産に不動産が含まれる方は注意しましょう。現金と異なり、不動産は物理的に公平に分けるのが難しい財産であり、相続人間の紛争を招きやすいためです。
その他、人生の振り返りや老後の不安解消につながるというメリットも、終活にはあります。
終活・生前整理のやることリストをまとめました。やるべき内容が多く、尻込みする人もいるでしょう。
しかし、紹介する全てを実践する必要はありません。自分の状況に当てはまるものを実践してみましょう。
どの財産を誰に相続させるのかが明確になるよう、遺言書を作成しましょう。遺言書の作成を怠ると、相続財産の所有をめぐる争いに発展しやすいからです。
「所有財産が少ないから大丈夫」と安心するのは危険です。相続トラブルは、財産の多い・少ないに関係なく起こり得ます。
生前中は仲の良かった兄弟が、相続をきっかけに仲違いしたという話は実際にあります。
家族間の争いを避けるためにも、遺言書を作成し、財産の帰属先は明確にしておきましょう。
なお、遺言には複数の類型があり、それぞれ特徴があるため使い分ける必要があります。自筆証書遺言は費用がかからずお手頃ですが、要式に沿わないと無効になるため注意が必要です。
エンディングノートの作成も、終活の一部です。
エンディングノートは、終活にまつわる情報が記載されたノートです。
エンディングノートに明確な決まりはありません。しかし、引き継ぎ書として遺族に伝えたい内容を書き記すのが一般的です。
記載内容は自由ですが、遺族がスムーズに死後の事務手続きを行うための情報を盛り込んでおくことをおすすめします。
デジタル機器やオンラインサービスに関するIDやパスワードなどを記録しておくと、相続人も困らずに済むでしょう。
なお、エンディングノートに記載した内容には、法的効果が発生しません。法的効果が発生する遺言書とは区別して、内容を書き分ける必要があります。
銀行口座の整理も怠らないようにしましょう。
本人の死後、遺族によって口座の解約や名義変更手続きが必要になるからです。
銀行口座に関する情報が整理されていないと、死後の事務作業が煩雑になります。
銀行口座の数が多い方は、不要な口座を解約するなどして減らしておくのも1つの方法です。口座数が少ないと、死後の事務作業も軽減されるため、相続人の負担を減らせます。
また、口座数を減らすのみならず、口座に関する情報を家族に伝えておく作業も重要です。
遺言書やエンディングノートに、口座情報をまとめておくと良いでしょう。
インターネット口座は、紙ベースの証拠がないため、情報を残す作業がより大切になります。
緊急時の連絡先を整理する作業も大切です。
緊急時の連絡先を家族と共有することで、万が一の事態に備えられるからです。
特に、一人暮らしをしている方は連絡先の共有を怠らないようにしましょう。
家族が近くに住んでいないケースでは、直接本人に会って状態を確かめるのに時間を要します。
距離が離れていてもスムーズに本人の状態を確認できるよう、かかりつけの医療機関や近所の住民の連絡先を、家族に伝えておきましょう。
なお、医療機関の具体例としては、病院や介護施設が考えられます。
不要なモノを処分する断捨離も、終活の作業の一部です。
断捨離をしておくと、本人が亡くなった後の事務作業が進みやすくなるからです。
モノを捨てるか否かの判断は本人にしかできない側面があり、処分作業を任されるのは、遺族にとっても負担になります。
また断捨離は、心理的にも良い効果をもたらします。所有するモノがなくなると頭の中がクリアになり、気持ちに余裕が生まれる場合もあるでしょう。
断捨離する際は、物理的なモノに限らず、デジタルデータも意識しましょう。
利用していないサブスクリプション契約を解約しておく作業も、断捨離の一部と考えられます。
どのような介護や医療を望むのか、家族に意思表明しておくことも大切です。
介護や医療のサービスを受けるにはお金がかかります。
介護といってもさまざまな形態のサービスや施設があり、事前の準備なしでは対応できない可能性があります。
民間の施設を希望する際は、数百万以上の入居一時金を求められる場合もあり、資金づくりは必須です。
希望の介護・医療の方法を伝え、利用するサービスの内容や資金計画について、家族としっかり話し合う姿勢が大切です。
本人の資産のみでは費用をカバーできそうにない場合、事前の話し合いがより重要になるでしょう。
お葬式に呼びたい人をリストアップしておく作業も、人によっては必要です。
お葬式に呼びたい人をリストアップしておくことで、家族の負担を減らせます。
本人の人間関係を把握しているのは、本人のみです。家族といえども、本人の人間関係や関係者の連絡先は知らない場合がほとんどです。
葬儀に呼びたい人の情報を整理し、自分が好きだった人にお葬式に参加してもらえるよう、リストアップしておきましょう。
リストアップの作業を怠ると、来てほしい人にお葬式に来てもらえず、悲しい結果となります。
自分が入るお墓について考えておくことも終活の一部です。
お墓を建てるにはお金がかかり、遺族にも影響する事柄だからです。
先祖と同じお墓に入る人であれば、お墓を建てる必要はありません。しかし新たにお墓を建てる必要がある人は、費用に関して事前に資金づくりをしておく必要があります。
最近は、「生前墓」といって生前中にお墓を建てるケースもあるようです。事前にお墓を購入しておくと遺族の負担を減らすことができ、老後の資金計画も立てやすくなります。
遺族の負担をできる限り減らしたいという希望をお持ちの方は、生前墓を検討してみるのも良いでしょう。
デジタル遺産の整理は見逃しやすい点であり、注意が必要です。
デジタル遺産とは、オンライン上に存在する無形の財産です。
具体例としては、仮想通貨や電子マネー、クレジットカードのポイントなどが挙げられます。
デジタル遺産には、遺産の存在が遺族に気づかれにくいという特徴があります。
また、IDやパスワードが求められるため、本人以外のアクセスがしづらい点も問題です。
保有するデジタル遺産を事前に整理し、エンディングノートに記すなど、遺族がデータにアクセスできる工夫をしておく必要があるでしょう。
デジタル遺産に関しては、法律の専門家と死後事務委任契約を交わし、遺産管理を任せる方法もあります。
終活については、法律上の手続きも検討しましょう。
法律を使ったサービスを活用すると、より高度な終活が実現できるからです。
また、法律の専門家への依頼により、遺族にかかる負担も減らせます。
死後事務委任契約を結んでおけば、役所や金融機関の手続き、デジタル遺産の処理など、全て弁護士や司法書士に一任できます。
任意後見制度や家族信託を活用すれば、認知症対策も可能です。
任意後見制度や家族信託のメリットはさまざまですが、一例としては、認証後に起きる口座凍結の対策ができます。
本人が認知症になると、銀行口座が凍結され、預金が引き出せなくなる事態が生じます。しかし、任意後見契約や家族信託契約を結んでおけば、遺族は預金の引き出しがスムーズに行えるでしょう。
終活・生前整理を行う際のポイントをまとめました。
終活は、やるべき内容が多岐にわたり、一度にやろうとすると圧倒されます。内容によっては、専門家のアドバイスも必要です。
注意すべき点は注意しつつ、自分のペースで無理なく終活を進めましょう。
終活の際は、一気に終わらせようとせず、取りかかりやすい作業から進めて行きましょう。
終活で必要となる作業項目は、思いのほか多いものです。
2~3日で終わらせようとすると、ほとんどの人が量に圧倒され挫折します。
できる項目から手をつけ、無理のないペースで進めましょう。
断捨離は、比較的取りかかりやすい作業なのでおすすめです。メルカリや中古ショップで不要なモノを売ればお金になるため、終活が楽しくなるかもしれません。
終活する際は、作業が楽しいと思える箇所から始めてみるのが良いでしょう。
ただし、任意後見制度や家族信託は、認知症が進行すると利用できなくなります。
終活には、タイミングが求められる作業もある点を忘れないでおきましょう。
終活に際して残した記録・記載は、更新作業を怠らないようにする必要があります。
過去の情報や個人の気持ちが記載されたままだと、死後、古い情報に従って手続きが進む恐れがあるからです。
特に遺言については注意しましょう。
例えば、Aに財産を相続させようと思ったものの、途中で気持ちが変化したとしましょう。
Aに財産を相続させる気持ちがない以上、遺言を書き換えなければなりません。遺言を放置すると、古い情報に従って、Aに財産が相続されるからです。
その他、オンラインサービスにログインする際のIDやパスワードも絶えず最新の情報を掲載する必要があります。
終活においては、家族や周囲の意見も取り入れましょう。
終活に関する情報や手続きは、自分以外の人間にも影響を及ぼすからです。
家族の気持ちや希望によっても、終活の内容は異なってきます。
例えば介護の形態です。
介護には、施設介護か在宅介護かの選択がありますが、家族の希望を聞いておくことは大切です。
在宅介護では、場合によっては子どもの生活や仕事に影響します。子どもが在宅介護を嫌えば施設入所の可能性が高くなりますが、子どもが積極的に在宅介護を希望するパターンもあります。
家族の希望や意見を聞かずして介護の方針を決める姿勢は、家族間との関係に悪影響を生じさせるリスクがあるため、注意が必要です。
終活で不安や疑問が生じる場合は、専門家に相談するようにしましょう。
間違った情報を抱えたまま終活を進めると、取り返しのつかない結果になるかもしれません。
特に、任意後見制度や家族信託など、高度な知識を要する手続きについては注意しましょう。
任意後見制度や家族信託は、認知症対策として有効です。しかし、これらの制度をうまく活用するには知識と経験が求められます。各手続きにはメリットがある反面、デメリットも存在します。
中途半端な知識で任意後見契約や家族信託契約を交わすと、無駄なコストが発生するのみならず、かえってトラブルを招く結果になります。
不安や疑問を感じたときは、専門家にアドバイスを求めるようにしましょう。
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終活・生前整理に関して、よくある質問に回答します。
終活に決まったタイミングはありません。
60代以降に終活をスタートさせる人が多いのは確かです。しかし、20~30代で終活を始めたからといって特定のデメリットがあるわけではありません。
人はいつ死ぬか分からず、20代や30代で亡くなる可能性もゼロではないからです。その意味では、終活を始めるにあたって、早すぎることはないといえます。
ただし、遺言書の作成には注意が必要です。
年齢を問わず、遺言書の作成自体は良い取り組みです。ただし、年齢とともに遺言に記載した内容と本人の意向にズレが生じる恐れもあります。
遺言書を作成したからには、現在の気持ちと遺言書の内容に不一致がないか、定期的にチェックしましょう。遺言書作成時の年齢が若いほど、内容を変更する必要性は高くなります。
おひとりさまだからといって、終活は無縁と判断するのは早計です。おひとりさまであっても、終活する意味はあります。
「孤独死を避けたい」「認知症後に備えたい」「死後の遺産管理を希望通りに処分したい」などのニーズがあるからです。
認知症後や死亡後の遺産管理を第三者に適切に行ってもらいたい場合、任意後見や家族信託の活用が考えられます。
また、おひとりさまがペットを飼っている場合、飼い主の死後、ペットの面倒を誰が見るかという問題が残ります。
ペットの面倒を第三者に任せたい場合は、ペット信託(里親制度)の利用が考えられます。
終活で必要となる作業は、多岐にわたります。
短期間で一気に終わらせようとすると、作業量に圧倒され、挫折する可能性が高い傾向があります。
終活初心者は、断捨離などの進めやすい作業から取りかかるのがおすすめです。
ただし、任意後見や家族信託などを希望する方は、タイミングに注意しましょう。認知症が進行すると、利用が難しくなるからです。場合によっては、手続きを急ぐ必要があります。
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