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死亡した人の預金を凍結前におろしたら罪?必要な手続きとは?

死亡した人の預金 おろした 罪

亡くなった人の預金をおろすと刑事罰に問われるのでしょうか。
故人の預金を引き出したいと思いつつも、引き出したあとの責任が気になる方は多いです。

この記事では、亡くなった方の預金を引き出した際に生じうる責任や、適切に預金を引き出すための手続について解説します。

この記事の監修者

田中 総
(たなか そう)
司法書士

2010年、東証一部上場の不動産会社に新卒で入社し、10年以上に渡り法人営業・財務・経営企画・アセットマネジメント等の様々な業務に従事。
法人営業では遊休不動産の有効活用提案業務を担当。

経営企画では、新規事業の推進担当として、法人の立ち上げ、株主間調整、黒字化フォローの他、パートナー企業に出向して関係構築などの業務も経験。
司法書士資格を取得する中で家族信託の将来性を感じ、2021年6月ファミトラに入社。

目次

亡くなった人の預金を口座凍結前におろしたら罪になるのか

手錠

亡くなった人の預金をおろした場合の責任について解説します。

故人の預金の引き出しは、複数のリスクを伴うため注意が必要です。

亡くなった人の預金を相続人がおろしても刑事犯罪にはならない

亡くなった人の預金を相続人がおろしても、刑事罰に問われる可能性は低いです。
親族間で発生した財産をめぐるトラブルについては、当事者での解決に委ねられるべきという考えが日本に根付いているからです。

一定の親族間で窃盗や横領に相当する行為があっても、基本、警察は介入しません。
ただし、刑事上の責任は問われなくても、民事上の責任は問われる可能性があります。他の相続人の相続分を侵害する預金の引き出しは、特に控えるべきでしょう。

死亡した人の預金引き出しは刑事事件に発展する可能性は低いですが、その他のトラブルの原因になります。

親族トラブルのタネになりやすいため預金の引き出しには注意が必要

亡くなった人の預金の引き出しは、親族間トラブルの原因になります。

預金引き出しの際は、引き出し方に注意しましょう。引き出す手順を間違えると、その他の相続人に不信感を抱かせてしまいます。

良くない預金引き出しの例は、次のとおりです。

  • 引き出しの事前・事後報告がない
  • 相続分以上のお金をおろす
  • お金の使い道を説明できない
  • 記録・証拠を残さない

他の相続人に黙って預金を引き出すことは避けましょう。
報告のない預金引き出しは、他の相続人に不信感を抱かせてしまいます。引き出す際は、事前・事後の報告が不可欠です。

また、報告にあたっては、引き出す預金額もあわせて伝えます。金額を伝えないと、相続分以上のお金をおろしたのではないかと、不安になる方もいるためです。

より信頼を得るために、お金の使い道も伝えるほうが良いでしょう。相続人全員の利益のために引き出したのであれば、請求書や領収書も保存し、証拠を残す作業が大切です。

亡くなった人の預金を引き出す際は、相続財産の使い込みを疑われないよう、細心の注意を払いましょう。
相続財産の使い込みを疑われると、遺産分割が難航したり、民事訴訟を起こされたりする原因になります。

民事的には違法となる可能性もある

死亡した人の預金を引き出すと、民事責任を問われる可能性があります。
預金の引き出しが相続分を超える場合、他の相続人に損害が発生するからです。

問題となりうる民事責任は、次のとおりです。

  • 不当利得返還責任(民法703条)
  • 不法行為の損害賠償責任(709条)

不当利得返還責任は、他人から法的に理由のない利益を得た場合に、得た利益を返す責任のことをいいます。また、不法行為責任は、意図的にまたは不注意によって他人の権利を侵害した場合に、その損害を賠償する責任のことです。

亡くなった人の預金の引き出しは、刑事罰に問われずとも、このような民事責任を負う可能性があります。

亡くなった人の預金をおろすと相続放棄ができなくなるリスクがある

死亡した人の預金引き出しが原因で、相続放棄ができなくなる恐れがあります。
預金の引き出し行為は、お金の使い道によっては単純承認に繋がるためです。

相続人は相続発生後、財産を相続するか相続放棄するかを選択できます。
しかし、お金をおろして使い込んでしまった場合、相続を承認したものとみなされ放棄できなくなります。
相続財産を消費する行為と相続放棄は、相容れない関係にあるためです。

単純承認は、被相続人に借金がある場合に問題になりやすいです。
単純承認に該当し相続放棄できなくなった結果、被相続人の借金も相続するためです。

預金の引き出しの際は、被相続人に借金がないかを十分に確認する必要があります。

なお、相続財産の消費があっても、必ず単純承認に該当するわけではありません。例えば葬儀費用としての支出は、必要な範囲にとどまる限り単純承認に当たらない場合もあるでしょう。

銀行が名義人の死亡を知ると預金口座は凍結されてお金をおろせなくなる

通帳と鍵

預金者が死亡すると、銀行は、預金名義人の口座を凍結します。
銀行が口座凍結する理由の一つは、相続人の間での紛争防止です。

口座凍結で預金引き出しができなくなり、一部の相続人による不相当なお金の使い込みがなくなります。

口座凍結のタイミングは、銀行が預金名義人の死亡を知ったときです。死亡と同時に凍結されるわけではありません。銀行が死亡の事実を把握するまでは口座凍結はなく、お金は引き出せる状態です。

口座凍結は銀行ごとに実行されます。A銀行で凍結が実行されたからといって、同じタイミングでB銀行で凍結されるとは限りません。

ただし、同じ銀行の複数支店に口座がある場合は、口座凍結は全ての支店に影響を及ぼします。A支店とB支店の口座は、同じタイミングで凍結されます。

亡くなった人の預金を凍結口座から適法におろす方法

ATM

亡くなった人の預金を、適法におろす方法を紹介します。

死亡発覚後、銀行は被相続人の預金口座を凍結し、預金の引き出しができなくなります。
口座凍結に備えて、口座凍結後に預金を引き出す方法を押さえておきましょう。

預貯金の仮払制度を利用する

亡くなった人の預金をおろす方法として、預貯金の仮払制度(民法909条の2)があります。
引き出せる金額に限度はありますが、預貯金の仮払制度を利用すると、故人の預金を適法に引き出せます。

預貯金は遺産分割の対象です。遺産分割がまとまるまで、預貯金は共有財産として扱われます。
共有財産であるため、相続人全員の同意がない限り預金は引き出せないのが基本です。

しかし、預貯金の仮払制度を利用すると、要件を満たす範囲内で預金の引き出しが可能になります。

預貯金の仮払制度で、引き出せる金額は次のとおりです。

  • 被相続人の預貯金額×1/3×法定相続分割合
  • 被相続人の預貯金額は、死亡時の金額を基準とする
  • 引き出しの上限は、1つの金融機関につき150万円まで

上記条件を満たす限り、相続人全員の同意がなくても単独での預金引き出しが可能です。

亡くなった人の預金を引き出したい場合は、預貯金の仮払制度を利用しましょう。
もっとも、預貯金の仮払いで引き出せる金額には限度(1つの金融機関につき150万円まで)があります。

上限を超える金額を引き出したい方は、相続人全員の協力を得るか裁判手続に頼ることになります。

なお、預貯金の仮払制度は令和元年7月に始まった制度です。

制度創設の背景には、平成28年の最高裁判決が関係しています。
最高裁判決で預貯金は遺産分割の対象であり、被相続人名義の預金引き出しには相続人全員の同意が必要である旨が確認されました。

しかし、判決の結果、預金の引き出しができず、被相続人の収入に生活を頼っていた配偶者やその子どもが困窮する事案が増えました。

預貯金の仮払制度の創設は、残された遺族の生活が考慮された結果といえます。

「預貯金債権の仮分割の仮処分」を請求する

預貯金債権の仮分割の仮処分(家事事件手続法200条3項)を裁判所に請求し、亡くなった人の預貯金を引き出す方法もあります。

預貯金債権の仮分割の仮処分が認められると、他の相続人の同意なしで預金の引き出しができます。

単独で預金を引き出す方法として、さきほど説明した預貯金の仮払制度も有効です。
しかし、預貯金の仮払制度は1金融機関につき150万円の上限があります。

この点、預貯金債権の仮分割の仮処分には、引き出せる金額に上限がありません。より多くのお金を引き出せる点で、預貯金の仮払制度より預貯金債権の仮分割の仮処分は優れています。

ただし、預貯金債権の仮分割の仮処分は裁判手続きです。預貯金の仮払制度と比較して、時間も費用もかかります。

また、預貯金債権の仮分割の仮処分が認められるには、次の要件を満たす必要があります。

  • 遺産分割の審判や調停の申立て
  • 払い戻しを求める相当な理由(債務の弁済や生活費の捻出など)
  • 他の相続人の利益を害さないこと

預貯金債権の仮分割の仮処分の利用によっても、預貯金の仮払制度と同様、単独での預金引き出しが可能になります。
引き出し金額、時間、費用などを考慮し、両者の制度を使い分けましょう。

遺言書で預金を相続したあとにおろす

遺言書の内容から相続する権利が明らかな場合、単独でも預金の引き出しができます。

「すべての財産はAに相続させる」「〜銀行〜支店の預金はAに相続させる」などの記載が遺言書にあれば、Aの権利は明らかです。

具体的にどのような手続きや書類が必要となるかは、銀行ごとに異なるため、事前に預金先の銀行に確認しましょう。

遺産分割協議で預金口座を相続したあとにおろす

遺産分割協議がまとまれば、亡くなった人の預金を引き出せます。
遺産分割協議で誰がどの預金を相続する権利があるか、権利の帰属先が明確になるためです。

遺産分割協議がまとまったら、遺産分割協議書を銀行窓口で提示しましょう。遺産分割協議書の提示で、預金を引き出せます。

遺産分割は協議ではなく、裁判所を通して確定することもあります。
裁判所の力を借りて遺産分割がまとまった場合は、調停調書や審判書を提示しましょう。裁判所で作成された調停調書や審判書は、遺産分割協議書の代わりになります。

遺産分割協議で預金を相続することが決まれば、適法に故人の預金を引き出せます。
しかし、遺産分割協議には時間がかかるケースも珍しくありません。遺産分割協議は全員の合意がない限り成立しないためです。

遺産分割協議がまとまらない間、預金が引き出せず生活に困窮する恐れもあります。
遺産分割協議が進まない場合は、預貯金の仮払制度や預貯金債権の仮分割の仮処分を検討しましょう。

相続人全員の同意で口座を解約する

銀行窓口で口座の解約をすると、亡くなった人の預金でもおろせます。

口座解約手続きで凍結が解除され、口座のお金が払い戻されるためです。
ただし、口座解約には、相続人全員の同意が必要です。

全員の同意のもと口座を解約する際は、一般的に次の書類提出が求められます。

  • 被相続人の通帳・キャッシュカード
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明書

必要書類は金融機関によって異なります。
解約の際は、預金先の金融機関窓口に問い合わせましょう。

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亡くなった人の預金を一部の相続人が使い込んだときの対処法

裁判所

使い込みが発覚した場合、使い込まれたお金を回収する必要があります。

亡くなった人の預貯金を使い込まれた場合の対処方法を確認しましょう。

使い込まれた預貯金も含めて遺産分割する

一部の相続人による預貯金の使い込みが発覚した場合、遺産分割協議で調整しましょう。
使い込んだ分だけ本来の取分を差し引けば、公平性は保たれます。

使い込みが発覚した際は、使い込んだ額を確認しましょう。請求書や領収書など、使い込んだ金額がわかる書類の提出を求めます。

使い込まれた金額が判明した後は、その金額を考慮して遺産分割協議を進めます。
使い込まれた金額が使い込みをした相続人の相続分に収まる場合は、使い込み金額を差し引けば解決に至るでしょう。

しかし、相続分を超えた使い込みがされた場合、使い込みをした相続人から返金を求める流れになります。返金の合意が得られたら、合意書を作成しましょう。

分割払いで返金を求めるのであれば、公正証書で合意書を作成する手段もあります。強制執行認諾文言付公正証書を作成しておくと、途中で相手が支払いを拒んだ場合でも訴訟を経ず強制執行に移行できます。

訴訟を起こす

遺産分割協議で解決しない場合、訴訟での解決が必要になります。
具体的には不当利得返還請求、または不法行為の損害賠償請求をします。

訴訟で勝つには証拠が必要です。
預貯金の通帳や取引履歴など、使い込みの証拠になるものは全て保存しましょう。

亡くなった人の預金に関するよくある質問

よくある質問

亡くなった人の預金に関して、よくある質問に回答します。

口座凍結前なら葬儀費用などをおろしても大丈夫ですか?

口座凍結前に葬儀費用を引き出す行為は、ただちに問題にはなりません。
葬儀は相続人全員のための行為であり、特定の相続人に利益を与えるものではないためです。

ただし、相続放棄との関係では注意が必要です。
被相続人の預金を引き出して葬儀費用に充てる行為が、単純承認(民法921条1号)に該当する可能性があるためです。

預金の引き出しから葬儀費用支払いまでの一連の行為が「相続財産の全部または一部の処分」と認定された場合、単純承認が認められます。

単純承認が認定されると、相続放棄ができなくなります。
相続放棄できない結果、負の財産も放棄できなくなり、被相続人の借金を負うリスクが高くなるでしょう。

被相続人に借金がある場合、預金の引き出しに行為には注意が必要です。

口座が凍結されてから預金をおろせるようになるまでどのくらいの期間がかかりますか?

銀行窓口に必要書類を提出した後、口座凍結が解除されるまでの期間は一般的に2~3週間です。口座凍結解除後は、お金の引き出しが可能です。

具体的な必要書類は事前に確認しましょう。事前の確認を済ませたほうが、手続がスムーズに進みます。

まとめ:亡くなった人の預金をおろしても罪にはならないが慎重な対応が必要

まとめ

亡くなった人の預金をおろしても刑事罰に問われる可能性は低いです。
しかし、安易な使い込みはトラブルを招きます。

刑事事件に発展しなくても、民事で訴えられる可能性はあります。
遺産分割協議前の段階で預金の引き出しをするのであれば、適切な方法で実行しましょう。

預貯金の仮払制度や預貯金債権の仮分割の仮処分など、国が認めた方法で預金を引き出す方法があります。

相続には争いの種になる要素が多いです。

しかし、家族信託を組むなどして事前の対策を講じれば、トラブルの確率を減らせます。

ファミトラでは、弁護士や司法書士など相続の専門家(家族信託コーディネーター)が無料相談を承っております。

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この記事を書いた人

田中総 田中総 家族信託コーディネーター®エキスパート 宅地建物取引士/司法書士

東証一部上場の企業で10年以上に渡り法人営業・財務・経営企画等の様々な業務に従事。司法書士資格を取得する中で家族信託の将来性を感じ、2021年6月ファミトラに入社。お客様からの相談対応や家族信託の組成支援の他、信託監督人として契約後の信託財産管理のサポートを担当。

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