金融資産とは?種類や預貯金との違いと平均保有額をわかりやすく解説

金融資産とは

「金融資産」という言葉を耳にしたことがある方は多くいると思います。では、何が「金融資産」に含まれるのかご存知でしょうか。

本記事では、金融資産を徹底的に解説します。金融資産と実物資産の違いや金融資産の種類、金融資産をもつメリット・デメリットなどについて、わかりやすく説明します。

この記事の監修者

田中 総
(たなか そう)
司法書士

2010年、東証一部上場の不動産会社に新卒で入社し、10年以上に渡り法人営業・財務・経営企画・アセットマネジメント等の様々な業務に従事。
法人営業では遊休不動産の有効活用提案業務を担当。

経営企画では、新規事業の推進担当として、法人の立ち上げ、株主間調整、黒字化フォローの他、パートナー企業に出向して関係構築などの業務も経験。
司法書士資格を取得する中で家族信託の将来性を感じ、2021年6月ファミトラに入社。

この記事の監修者
司法書士 田中 総

田中 総

司法書士資格保有/家族信託コーディネーター/宅地建物取引士/不動産証券化協会認定マスター

東証一部上場のヒューリック株式会社 入社オフィスビルの開発、財務、法人営業、アセットマネジメント、新規事業推進、経営企画に従事。2021年、株式会社ファミトラ入社。面談実績50件以上。首都圏だけでなく全国のお客様の面談を対応。

目次

金融資産とは何?わかりやすく解説

投資明細

金融資産とは、資産の中で実物資産以外の資産のことです。
実物資産とは、不動産や貴金属など、形のあるものでそれ自体に価値がある資産のことです。

実物資産にはそれ自体に価値がありますが、金融資産はそれ自体に価値があるわけではありません。しかし、金融資産は評価額を換算でき、現金化することができます。

例えば、金融資産の1つである商品券は、紙自体に価値があるわけではありません。しかし、商品券は現金の代わりとして利用できるため、金融資産として扱われるのです。

金融資産と実物資産(不動産・貴金属など)の違い

マンション

金融資産と実物資産の違いは、主に流動性と価格の変動性にあります。
流動性とは現金化できるスピードのことです。

金融資産はすぐに現金化できる一方、実物資産は現金化するまでに時間がかかります。
また、金融資産の価格は景気に大きく左右されるため、価格の変動性は大きくなります。

一方、実物資産は資産そのものに価値があるため、価格の変動性は比較的小さくなるのです。

主な金融資産の種類と特徴

金額計算

主な金融資産として挙げられるのは、次の7つです。

  • 現金・預貯金
  • 小切手・商品券
  • 貯蓄型の生命保険
  • 確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)
  • 株式
  • 投資信託
  • 債券

以下では、それぞれの金融資産の特徴を解説します。

現金・預貯金

預貯金は、銀行や信用金庫などに預けているお金のことを指します。
また、タンス預金や金庫に保管している金銭は現金の代表例です。

銀行や信用金庫にお金を預けると、預貯金額やサービスの利用状況によって金利を得ることが可能です。
特に、預けたお金を一定期間引き出さない定期預金では、普通預金よりも高い金利が設定されています。

とはいえ、日本での金利は、ないといっても過言ではないほど低いです。預貯金だけで資産を形成するのは難しいでしょう。

小切手・商品券

小切手は、券面に記載された金額の支払いを受けられる有価証券です。商品券は、券面に記載された金額の商品・サービスを受けられる有価証券です。

小切手や商品券に記載された額面金額が金融資産として扱われます。
小切手や商品券には専用の用紙があり、必要事項が記入された紙を相手に渡すことで使用できます。

貯蓄型の生命保険

生命保険は、けがや病気、死亡の際に給付を受け取れる仕組みです。
生命保険の中でも、貯蓄型の生命保険は金融資産に含まれます。

貯蓄型の生命保険では、解約時に解約返戻金が支払われ、また満期を迎えると満期保険金などを受け取ることができます。
一方、掛け捨て型の生命保険は、解約返戻金や満期保険金などの貯蓄機能がないため、金融資産には含まれません。

確定拠出年金(iDeCo・企業型DC)

確定拠出年金とは、加入者が自分の掛金を自分で運用し、その結果に応じて給付額が決まる年金制度です。
確定拠出年金には、個人で加入するiDeCoと事業主が掛け金を負担する企業型DCの2つがあります。

「年金」であるため、原則として60歳を超えないと受け取ることができません。
そのため、他の金融資産よりも現金化しにくい点が特徴的です。

株式

株式は、株式会社が資金調達を目的として発行する有価証券です。

株式は売買ができるため、株式を購入することで購入した株式を発行している株式会社の株主の1人になれます。

株式を購入すると、配当金の分配や株主優待の特典が受けられます。
また、株式は景気や企業の業績などに大きく左右されやすいため、価格の変動性が高い資産です。

そのため、短期間で大きな利益を得ることも、大きな損失が発生することもあります。

投資信託

投資信託とは、複数の投資家から資金を集め、その資金をもとに株式や債券などを運用する商品です。

資金を運用するのは、専門家であるファンドマネージャーであり、商品の運用方針に沿って運用を行います。
投資信託も株式と同じく売買可能であり、買った時よりも値上がりしていれば利益が得られます。

運用を専門家に任せられるため、楽に利益を得られる可能性がありますが、手数料がかかる点などがデメリットです。

債券

債券とは、国や企業が資金を借り入れることを目的に発行する有価証券です。
国が発行する債券は国債、企業が発行する債券は社債といわれ、国債や社債を購入すると定期的に定められた利息を受け取れます。

債券には満期があり、債務不履行が起きない限り、満期になると所有者に額面の金額が払い戻されるのです。

定期的に利息を受け取りながら、満期まで所有すれば元本が全額返済されます。
そのため、株式などよりはリスクが小さい金融資産です。

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日本人の金融資産の平均保有額は?

ポートフォリオ

日本人の金融資産の平均保有額について、金融広報中央委員会による調査をもとに見ていきます。

2人以上世帯では、一世帯当たりの金融資産の平均保有額は1,291万円です。
一方、単身世帯では、一世帯当たりの金融資産の平均保有額は871万円です。

世帯主の年齢別にみると、2人以上世帯では以下のような平均保有額の数値になります。

年代金融資産の平均保有額
20歳代339万円
30歳代697万円
40歳代1,132万円
50歳代1,684万円
60歳代2,317万円
70歳代2,360万円

一般的に、退職して年金暮らしが続く70歳代を除いて、20歳代から60歳代になるにつれ、金融資産の平均保有額も大きく増加しています。

参考:金融中央広報委員会「令和4年 家計の金融行動に関する世論調査」

財産を金融資産として保有するメリット

分散投資

財産を金融資産として保有するメリットは、主に以下の3つです。

  • 現金化しやすい
  • 分散投資しやすい
  • 複利効果が見込める

以下では、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

現金化しやすい

金融資産は現金化しやすいメリットがあります。
現金化しやすい資産を持っておくと、入院費用やお祝いのためのお金など、急な出費に対応しやすいです。

特に、現金化しやすい金融資産は預貯金です。
生命保険や株式、投資信託は、預貯金に比べて現金化するまでに時間と手間がかかります。

そのため、生命保険や株式、投資信託などの金融資産を持つ場合でも、預貯金は一定額保有しておくことがおすすめです。

分散投資しやすい

株式や投資信託など、分散投資しやすい点も金融資産を保有するメリットの1つです。

株式などの金融資産は、不動産などの実物資産と比べて比較的少額から投資を始められます。そのため、複数の種類の資産を持つことができ、分散投資がしやすいのです。

分散投資をしていれば、1度に得られる利益は減るものの、金銭的リスクを軽減できます。

資産を守る点からすれば、リスクを回避することが重要です。分散投資がしやすい金融資産は、保有するメリットがあるといえます。

複利効果が見込める

金融資産のうち、株式や投資信託などの資産は複利効果が見込めます。
複利とは、投資で得た利益を再び投資することで、更なる利益を得ることです。

複利を利用することができれば、ただ現金を保有しているだけよりも、資産を増やすことができます。

株式や投資信託は元本割れすることもあるため、必ずプラスになるとはいえません。しかし、リスクをコントロールしながら運用すれば、資産を大きく増やすことも可能です。

財産を金融資産として保有するデメリット

スマートフォンと文房具

財産を金融資産として保有する場合、メリットだけではなくデメリットもあります。

主なデメリットは、資産の安定性が低いことです。
金融資産は景気に左右されることが多いため、価格も大きく変動しやすくなります。

特に株式や投資信託は、景気や企業の業績などの影響を激しく受けます。そのため、価格が乱高下することもあるのです。
大きく儲けられることもあれば、大きく損してしまうこともあります。

一度減ってしまった財産を取り戻すのは簡単ではないため、かなり大きなデメリットです。
金融資産として財産を保有する場合、このようなデメリットがあることを理解しておきましょう。

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金融資産に偏らず不動産などにも分散した資産形成が理想

チャート

理想の資産形成を目指すには、金融資産だけに偏るのではなく、不動産などの実物資産にも分散することがおすすめです。

金融資産には、現金化しやすいことや分散投資しやすいこと、複利効果が見込めることなど、たくさんのメリットがあります。
しかし、景気が悪くなると一気に資産価値が減ってしまうというデメリットもあります。

金融資産の中で分散投資を行い、リスクに備えることもできますが景気が悪化すると、どの金融資産も価値が下がり、損してしまう可能性があるのです。

そのため、金融資産よりも価格の変動が小さい不動産などの実物資産も資産の中に組み入れることによって、より安定した資産運用ができます。

目安としては、実物資産1/3、金融資産2/3がおすすめです。

金融資産に関するよくある質問

お金と積み木

最後に、金融資産に関するよくある質問を3つ紹介します。

  • 日本人の金融資産の保有割合は?
  • 金融資産と預貯金の違いは何?
  • 金融資産以外(実物資産)を持つメリット・デメリットは?

それぞれの質問に対する回答を参考にしてください。

日本人の金融資産の保有割合は?

日本人の金融資産の保有割合は、日本銀行調査統計局が公開した資料に、以下のとおり記されています。

  • 現金・預金:54.2%
  • 債務証券:1.3%
  • 投資信託:4.4%
  • 株式等:11.0%
  • 保険・年金・定型保証:26.2%
  • その他:2.9%

出典:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」

現金・預金が50%を超えている点が日本の特徴です。
他国と比べると現金・預金の志向が強く、安全な資産を保有している人が多くいます。

金融資産と預貯金の違いは何?

金融資産は、資産の中で実物資産以外の資産のことです。預貯金のみならず貯蓄型の生命保険や株式、投資信託なども含まれます。

一方、預貯金は銀行などにお金を預けることです。
預貯金も金融資産の一部に含まれるため、預貯金よりも金融資産のほうが対象となる資産の種類が広いのです。

金融資産以外(実物資産)を持つメリット・デメリットは?

実物資産を持つメリットは、価値が急落しにくい点です。
金融資産は価格の変動性が大きく、金融危機に陥ると価値が急落する可能性があります。

一方、実物資産は実体のある資産であり、物そのものに価値があるため、価値が急落しにくいのです。

一方、実物資産を持つデメリットもあります。
実物資産を持つデメリットは、現金化しにくいことです。

実物資産を現金化するには、多くの手間と時間がかかってしまうため、急に大きな出費が必要になった際に現金に換えることが難しいのです。

また、維持費がかかることもデメリットといえるでしょう。
不動産を所有していればメンテナンス費に加えて、固定資産税や火災保険料が必要になる他、貴金属やコレクション品を所有していればセキュリティに費用がかかります。

メンテナンス費やセキュリティ費用が高いからと言って削減してしまうと、きれいな状態で保管できなくなります。

状態が悪化すると、売却時の値段が低くなってしまい資産価値が落ちてしまうため、注意が必要です。

まとめ:金融資産の特徴を知って賢い資産形成を

年金と保険

金融資産とは、それ自体に価値があるわけではありませんが、評価額を換算でき現金化することができる資産です。

形がありそれ自体に価値がある「実物資産」とは異なり、価格の変動性が高いものの現金化しやすく複利効果も狙えます。
金融資産の特徴を理解することで、賢い資産形成ができます。

資産形成をし、その財産を認知症などの状態になっても適切に管理するためには、家族信託を利用することがおすすめです。
家族信託を利用すれば、自身が認知症になっても家族が財産を管理できるため、資産が凍結されることを防げます。

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この記事を書いた人

田中総 田中総 家族信託コーディネーター®エキスパート 宅地建物取引士/司法書士

東証一部上場の企業で10年以上に渡り法人営業・財務・経営企画等の様々な業務に従事。司法書士資格を取得する中で家族信託の将来性を感じ、2021年6月ファミトラに入社。お客様からの相談対応や家族信託の組成支援の他、信託監督人として契約後の信託財産管理のサポートを担当。

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